研究概要 |
本研究は,ディジタルカメラを使って,精密な3次元計測システムを構築することを目的としている.1つはトンネルの変位計測と船舶や橋梁ブロックの加工精度を検証するためのものであり,近距離で多重撮影が容易な対象を計測する.他の1っは遠方から岩盤落下を監視できる計測システムの研究である.前者の課題に対して,本年度の目標は市販のディジタルカメラで安定した計測ができるキャリブレーションを実現すること,コード付ターゲットを小型化すること,およびトンネルの変位計測を実現することであった.また後者の目標は弱いネットワークでも高い精度が出せる計測法の開発であった.平成14年度の主たる成果は次のようである. (1)市販のCCDカメラを改造して安定化し,さらに2次元ターゲット場を使い,撮影距離を2段に変える方法で全自動の精密キャリブレーションを実現した.これには新しいコード付きターゲット使用した. (2)断層地帯のように,トンネル内の多数点の変位3次で計測するネットワークを考察し,実際のトンネルを使って実験した.その結果トータルステーションを使った精密変位計測と同程度の精度を出せることを示した.計測は手動で行なったが十分自動化できることを示唆した. (3)遠方監視にはズームレンズカメラを用い,アフィン投影法を原理とする計測技術を発展させた.内部標定要素に2つの拘束を付けることで,計測精度を安定させることができた.
|