研究概要 |
この研究はトンネルや斜面の変位や大型構造物の変形をディジタル写真測量で行なうために,理論および実用の両方面から技術的諸問題を解決するものである.2003年度は3年間の研究の総決算の年度であったので,これまでの成果を確認するための実験と整理を主とした.ただし実験結果の公表がすべて終了しておらず,準備中のものがいくつかある.得られた結果は以下のようである. 1.斜面変位を検知するための網設計および実験-写真測量の網設計はZOD(Zero-order design基準系の最適化の問題),FOD(First-order design観測形態の最適化の問題)およびSOD(Second-order design観測の重みの最適化)が中心である.ZODはこれまでの研究ですでに解決した.本年度はFOD,SODの問題として,数理統計の検定論にもとづく変位検知の定式化をおこない,模型実験した.実験の準備にてまどい,現在結果の発表準備中である. 2.カメラキャリブレーション-カメラのキャリブレーションを簡易,高速,高精度でおこなう方法を完成した.昨年度の段階で平面ターゲット場を遠近2段撮影する方法を提案していたが,これを実験的に検証した. 3.ターゲットレス計測のためのコーナー検出-写真測量での変位変形計測では光を返すレトロターゲットを対象に貼るが,現場からはターゲットのない計測方法への要求が強い.ターゲットの代わりに画像のコーナーを使う方法を実験した.空中写真画像を使い,Foerstner演算子での検出法が,実用性が高いことを示した. 4.正射投影モデル-遠方監視のための投影モデルとして正射投影モデルの性質を調べ,基準点を使わない標定法を実験的に検証した.
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