各種の水処理技術に共通する原理や基本的なメカニズムを体系的に整理し、理論水処理工学を構築することを目的として、本研究を企画し進めてきた。 今年度においては、主として関連する研究者とのフリーな議論を通して、いくつかの水処理プロセスにかかわる基本的な現象の理解と確認をする作業を行った。 具体的に面談をして、検討を行った研究者、研究テーマは次のようである。 渡辺義公(北海道大学教授)「凝集沈殿処理における、凝集メカニズムのモデル化について」。大垣眞一郎(東京大学教授)「膜ろ過による水処理・浄化プロセスの基本的メカニズムの解析事例」。日野幹雄(東京工業大学名誉教授・中央大学教授)「乱流現象の基本的理解の確認と計算による乱流理論の応用事例の紹介」。海老江邦雄(北見工業大学)「凝集効果とろ過性能の関係に関する最近のデータ提供」。市川新(福岡大学教授)「雨水の水質問題と処理性能について」。 福島武彦(広島大学教授)「土木学会における公式集での水処理学の扱い方」、山村尊房(国連大学高等研究所客員研究員)「WHOの飲料水基準の技術的背景について」、三村信男(茨城大学教授)「粒子浮遊流の流動特性について」、花木啓祐(東京大学教授)「嫌気性消化の基礎」、平山公明(山梨大学助教授)「エアレーションのモデル化について」、からも関連する情報の提供を受けた。 次年度にいては、生物処理関係の研究者との討論を通じて、理論の整理を進めていく計画である。
|