研究課題/領域番号 |
13650613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三橋 博三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90091751)
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研究分担者 |
有川 智 国土交通s省, 建築研究所・第二研究部, 主任研究員
桐越 一紀 東北大学, 工学部, 教務職員 (60240660)
金子 佳生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60312617)
最知 正芳 東北工業大学, 工学部, 講師 (90104132)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | コンクリート / ひび割れ / 劣化度 / フラクタル解析 / 顕微鏡観察 / マルチフラクタル |
研究概要 |
ミクロ、メゾ、マクロ各々の段階でのひび割れ特性を確率事象として捉えながら、コンクリート構造物の劣化度を定量化する方法を開発し、既存建築物の劣化度調査に応用するための基礎的研究を以下の通り実施した。 1).コンクリートコア供試体を用い、ひび割れ情報と劣化度を結びつけるための基礎研究として、ミクロレベルの微細なひび割れの顕微鏡観察を行うと共に、剛性の低下率や超音波伝導速度とひび割れの関係について実験により検討した。 2).ひび割れの顕微鏡観測と確率論的解析により凍結融解や繰返し荷重による劣化度とミクロレベルの微細なひび割れの情報との関係を調べた。凍結融解作用を受けたコンクリートに網目状に進展した微細きれつを定量的に評価する手法を開発した。この定量化の手法により、凍結融解作用を受けた際のコンクリート内部の微細きれつの進展状況を調べたところ、微細きれつは凍結融解のごく初期のサイクルにおいて著しく発展し、その後は漸増するという結果を得た。 3).応力-ひずみ曲線の微分値であるひずみ速度の値は、特に加力初期のひずみ速度において劣化要因の作用の大きさによる相違が認められた。 4).損傷・劣化を受けている既存の鉄筋コンクリート構造物のひび割れ図に対してフラクタル解析法を適用し、典型的なひび割れパターンを有するコンクリート構造物の劣化度の定量的評価法について検討した。例えば、ひび割れ形状のランダム性がスケールによって変化することに対するマルチフラクタル性の検討を行った。また、フラクタル解析対象ウィンドウの幅を変化させながら、部材全体をスキャンすることによって、壁のひび割れパターンを定量化することが可能であることを明らかにした。 5).本研究で開発・検討したひび割れ損傷を含む鉄筋コンクリート構造物の損傷・劣化度調査への応用方法について検討した。
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