研究課題/領域番号 |
13650626
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 仁史 京都大学, 防災研究所, 教授 (20132623)
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研究分担者 |
中治 弘行 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (80314095)
諸岡 繁洋 京都大学, 防災研究所, 助手 (80273522)
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キーワード | 寸法効果 / 鉄筋コンクリート / 応力-歪関係 / 横補強筋 / 高強度鉄筋 / 耐震設計 / 高層RC建物 / 高軸力柱 |
研究概要 |
現在日本では、超高層鉄筋コンクリート造集合住宅の建設が盛んであり、その耐震設計においては、高軸力を受ける大断面柱部材の地震時力学的挙動の正確な把握が急務となっている。しかしながら、横補強筋の拘束効果に関する既往の研究の多くは、通常の試験機能力の限界から、縮尺1/5程度といった小型模型試験体を使った準静的試験が行われるのが一般的である。これらの小型模型試験体の実験結果を実大構造物や部材に適用する際には、実大と小型の相互関係、すなわち寸法効果をあらかじめ確認しておく必要がある。本研究では、コンクリートの応力-ひずみ関係に及ぼす寸法効果の影響を明らかにするため、無筋角柱および角型横補強筋を用いて横拘束した角柱について一軸圧縮試験を行い、断面寸法の増大に伴う最大応力の低減を確認した。さらに、応力-ひずみ関係に及ぼす諸要因の影響を明らかにした。もちいた試験体の柱は、無筋コンクリートのものが、21体、横補強筋で拘束したもの14体の計35体であった。コンクリートは、公称圧縮強度で20MPaと50MPaの2種類、横補強筋は降伏強度が、364MPa、373MPaおよび1069Mpaの3種類を用いた。 実験より測定された応力-ひずみ関係に及ぼす試験体寸法と諸要因の影響を検討した結果、以下の知見を得た。 (1)無筋タイプ試験体では、試験体の寸法の増大に伴う最大応力の低下率は、既往の予測式に比して大きく、600mm角試験体では55%程度にまで低下した。また、コンクリート強度が低いほど寸法効果の影響が大きく、従来の予測式と逆の結果が得られた。 (2)横拘束タイプ試験体では、横補強筋量の増加に伴い、寸法効果の影響は少なくなる。また、コンクリート強度の違いによる、最大強度への寸法効果の影響は顕著ではなかった。 (3)本研究の実験結果は、特に無筋タイプにおいてコンクリートの縦方向打設による影響が支配的であった。
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