研究概要 |
MS-DOSをOSとしたパソコンにAD変換ボード3枚を設置し、マシン語を用いて読み取りを制御する測定システムを平成12年度までは実験に利用していた。この測定システムでは円筒シェルの母線方向の振動モードを特定することができなかった。AD変換コンバータの性能が劣るためである。研究題目に記載した非線形振動応答の振動モードを特定するためには、平成13年度に新しい測定システムを構築した。このシステムはWindowsのOSのもとで3枚のAD変換ボードを制御する。測定の速度は旧システムの30数倍に改善された。 この結果、外力振動数7800Hz以下の振動数領域において、円筒シェルの振動モードの周方向のフーリエ級数展開次数N=0,1,2,…,7、母線方向1次、および2次の振動モードを有し、外力振動数の1/3倍、1/2倍、2/3倍の振動数を持つ分数調波振動成分、1倍の基本振動数成分、および2倍、3倍の高調波振動成分を測定することができるようになった。測定点は現在36点である。変位の測定点を3箇所から5箇所に増加させた。 AD変換されたデータを処理し、振動モードを特定し、振動成分毎の応答曲線を描くことができるシステムに改善した。これを用いた振動実験を行い、外力振動数の小さい領域で突然分岐して発生し、激しい振動となる非線形振動応答の今まで特定できなかった母線方向の振動モードを分析した。これらの応答を、さまざまな非線形応答の振動モードを特定し、これらの応答の発生のメカニズムに関する理論的な予測との相違を検証している。
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