研究概要 |
本研究は,白然風中で実大の瓦および建物を用い,屋根瓦の表裏に作用する風圧を測定し,その特性を明らかにするものである.研究計画に基づき,平成13年度は主に測定冶具および実大供試体の設計および設置を行った.また供試体設置後,測定を開始した. 2階建てユニットハウスの上に切妻の木造小屋組を設計し,片側に和瓦,反対側に平板瓦を葺いた.この実大実験用建物を屋外のターンテーブル上に設置し,建物を回転させることにより屋根に対する風向を変化させた.風圧測定を行う瓦は、実物大圧力計測用模型をFRPを用いて7体作成した.模型重量は実物の瓦と同じになるよう鉛板で調整した.各模型の圧力測定点は内径3mmのPPチューブによる測定孔を瓦表面に4点,瓦裏面に4点設置し,ビニールチューブを介して多点風圧計により風圧を測定した.風向風速測定は計測建物の北側約10mに観測ポールを設置して行った.風向測定は高さ10mに設置した矢羽型風向計により,風速の測定は高さ10,7.5,5および2.5mに設置した三杯型風速計により行った. 実測期間は,2001年11月より開始した.現在までに得られたデータにより,計測地点の風性状および屋根瓦に作用する風圧の解析を行った.観測期間内の10m高さにおける10分間平均風速の最大値は10.4m/sであった.また,風速5m/s以上の風のうち約70%は北寄りの嵐であった.屋根瓦に作用する風圧は,得られたデータより平均外圧計数,平均内圧計数,変動外圧計数および変動内圧計数を求め,さらに平均風力計数,変動風力計数を求め,これらにより評価を行った.
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