• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

博物館内大気浮遊粒子状物質の文化財に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 13650662
研究機関独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所

研究代表者

佐野 千絵  独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・生物科学研究室, 室長 (40215885)

キーワード博物館 / 室内環境 / 粉塵 / 化学物質 / カビ
研究概要

大気中の微小な浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter-SPMと省略)については化学物質と相乗的な効果をもたらすという点で、今また重要視されている物質である。測定手法や分析法の開発、発生源調査等、さまざまな観点から研究されてきたが、人の健康影響に関連した研究例が多く、文化財への影響について検討した研究は行われていない。そのため本研究では、SPMの文化財への影響を主に化学的側面から検討し、総合的に博物館内SPM基準値策定のための評価法の公定化を目指した。
本年度は、特に堆積粉塵の粒径分布と付着菌量の関係に着目し、実測をもとに検討した。サンプリングは、空調のない閉架図書施設内の、過去20年清掃履歴のない書架と3年前に清掃した書架でおこなった。堆積粉塵の粒度測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD-3000(島津製作所製)でおこなった。また付着菌採取は、フードスタンプ サブロー寒天培地(日水製薬(株))で、書架に対して直接採取した。
その結果、床からの高さが約60cmより低い位置では、堆積粉塵の粒径に数百マイクロメートルに及ぶ大きな粒子が認められ、またその粒径分布は二山分布になり、一般に浮遊粉塵と呼ばれる2マイクロメートル以下の粒径を持つ粒子は相対的に量が減るが、約70cmから160cmの中位では最大でも150マイクロメートルで、一山分布となり、2マイクロメートル以下の粒径を持つ粒子量が相対的に多いことがわかった。床上170cmよりも高位では、また平均粒径が大きくなり、二山分布となった。付着菌量については、粒径分布と似たような推移を持ち、大きな粒径の粒子が多い場所で、生育する付着菌が多いとの結果が得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐野 千絵ほか: "国宝・高松塚古墳壁画保存のための微生物対策に関わる基礎資料-パラホルムアルデヒドの実空間濃度と浮遊菌・付着菌から見た微生物制御-"保存科学. 43. (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi