本年度は、ドイツにおける住民投票の事例を発見することを中心に研究を進めた。その方法としては、まずドイツの新聞社が提供しているホームページに掲載されるローカルニュースを通じて住民投票の事例を検索すると共に、現地視察、ならびに国内の図書館を訪問し、資料を検索した。この結果、これまでに資料を収集していた事例に加え、次の2つの興味あるケースを発見できた。 (1)ノルトライン・ヴェストファーレン州のデュイスブルクで、触法精神障害者の治療処分施設建設をめぐって2002年1月に住民投票が行われた。 (2)バーデン・ヴュルテムベルク州のカールスルーエでは、1996年10月に行われた住民投票の結果を見直さざるを得なくなり、2001年末に強力な住民参加手続きが開始された。この住民参加は、2002年秋に住民投票で締めくくられることが予定されている。 前者については一応の資料収集を終えているが、ドルトムントにおいて同種の施設建設が問題となっているので、ホームページを通じて資料収集に努めている。後者については、現地訪問でホームページからは得られない資料を入手してきた。現在進行中の住民参加についても、ホームページで資料収集を継続している。また、ウルムにおいては住民投票で否定された路面電車拡張案にかわる案の検討が行われているので、ローカル紙ホームページのチェックを継続している。 以上のように、予定していた資料収集は順調に進んでおり、来年度は資料収集を継続すると共に、資料をまとめる作業に入りたい。
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