木造住宅の資源循環特性に関する資料収集を、平成13年度に引き続き行った。特に、木造住宅の解体については、詳細な調査事例の資料を収集した。また、建築の資源循環に関わる、研究資料を収集し研究の現状についてレビューした。住宅の長寿命化の現実的な普及の鍵のひとつとされるリフォームについて、住宅リフォームコンクール入選作を対象に分析し、住宅リフォームの動機、内容、効用について検討を行った。また、住宅リフォーム工事の事例について調査を行い、戸建住宅リフォーム、及び、マンションリフォーム、各1件について、工程、工事作業の種類、作業量などの詳細を捉え、分析した。リフォーム工事の特徴として、工程が様々な要因によって変更されがちであること、作業量のほぼ1/4が解体関係の作業であること、一定期間における作業の種類が多いことなど、リフォーム工事の特徴が具体的に捉えられた。建築に供される各種材料について資源循環の様子を共通のモデルで定量的に表現し、相互に比較することによって、各建築材料の資源循環上の問題点を明らかにした。その中で、同じ名称の建材であっても、現在新しく造られるものと、解体などによってでてくるものでは、素材が異なることなどを、どのように扱うか、といった難しい問題があることも、確認できた。また、木造住宅の資源循環の全体像を定量的に表現することを試みた。これに活用できる資料は、現状では断片的であり、今後の課題として、リフォームや解体における、資源の投入と排出を定量化することが重要であることが確認できた。
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