研究課題/領域番号 |
13650687
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
建部 謙治 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10131137)
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研究分担者 |
松本 壮一郎 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (80078914)
小俣 謙二 名古屋文理短期大学, 教授 (60185668)
鈴木 賢一 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助教授 (00242842)
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キーワード | 子供 / 学校 / 火災 / 避難計画 / 防災教育 / 外国人 / 国際比較 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本年度は、子供の災害対応能力の国際比較を行なう一貫として、日本で働く日系ブラジル人児童・生徒の持つ災害に対する意識・知識・災害時の行動、空間の認知等を、豊田市の小学校と中学校2校で調査した。日本人と日系ブラジル人の児童・生徒を比較すると、基本的なところでは共通するものの、幾つかの点で相違点が見出せる。日系ブラジル人は、学校空間の認知状況が低学年では日本人と比べてかなり低いが、学年が上がるにしたがってその差が縮まる。火災時の行動では行動に積極性が見られる者が多い。一方、先生に対する信頼感を持つ児童・生徒の割合が日本人より高くなっている。このように日系ブラジル人は、学年が上がるほど日本人並の火災対応能力が身に付く反面、火災時に日本の学校が求める集団避難行動に対して、単独で避難行動を起こすタイプの児童・生徒が多いことなどが分かった。 一方国内調査と並行して、ブラジルのサンパウロ市を訪問し、次年度ITP (Institute for Technological Research of the State of Sao Paulo)と協力して調査する対象校への協力依頼及び現地調査を行った。なお、予定ではアメリカ及び東南アジアの国等にも現地調査する予定であったが、昨年起こったワールドトレードセンターでのテロ事件の影響で視察を断念した。 さらに、これまで行なってきた東京都内の複合化された学校における子供の災害対応能力と避難行動特性の因果関係の分析や個人能力が避難行動に与える影響等についても分析を行なった。ここでは、予測・判断や慎重性が優れている子どもは学校側が期待する集団避難行動をとることができることや、動作の速さ正確さに優れている子どもは単独避難を選ぶ傾向があることなどを明らかにしている。
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