研究課題/領域番号 |
13650707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 鳥取環境大学 |
研究代表者 |
浅川 滋男 鳥取環境大学, 環境情報学部環境デザイン学科, 教授 (90183730)
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研究分担者 |
西山 和宏 独立行政法人文化財研究所飛鳥資料館, 研究員 (10290933)
東樋口 護 鳥取環境大学, 環境情報学部環境デザイン学科, 教授 (50026366)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 家船 / 水上居住 / 日本海 / 漂海民 / 筏住居 / 高床住居 / 蛋民 / 東南アジア内陸水域 |
研究概要 |
東アジアから東南アジアにかけて広範囲に分布する家船居住の実態をあきらかにするための前提として、これまでの研究史を整理し、この地域における家船の分布図と家船呼称の分布図を作成した。一方、山口県の見島、マレーシアのペナン島とケタム島、ベトナムの香河、カンボジアのトンレサップ湖などで水上居住に関するフィールドワークを進めた。ベトナムのフエには約2万艘の家船が現存する。すてに相当の研究が蓄積されており、関係論文2篇を入手し、これを翻訳した。 最も集中的な調査をおこなったのは、カンボジアのトンレサップ湖である。トンレサップは東南アジア最大の淡水湖であり、雨期と乾季で水位が約6メートル上下する。ここにチョンクニアスという大規模な水上集落が形成されており、そこにはおびただしい数の家船・筏住居・杭上住居が共存している。水上居住民の陸地定住化のプロセスを考察するにあたって、きわめて示唆にとむ。 また、湖岸のスクウォッターとしての杭上住居だけでなく、一般農村の高床住居についても調査し、両者の構造・間取りを比較した。トンレサップ湖には、クメール人だけてなく、ベトナムからの難民が多数流入している点も興味深い。東南アジアでは、日本・中国では消滅しつつある家船居住が現在なお迫力をもって息づいており、これらの調査研究成果を中心にして、報告書を刊行した。
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