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2002 年度 実績報告書

室温磁気冷凍を目指した希土類―高濃度Fe化合物の磁気熱量効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13650719
研究機関京都大学

研究代表者

和田 裕文  京都大学, 工学研究科, 助教授 (80191831)

キーワード磁気冷凍 / 磁気熱量効果 / 一次転移 / メタ磁性 / 磁気転移
研究概要

室温こおける磁気冷凍は環境にやさしく省エネルギーの冷凍技術として世界的に注目を集めている.室温磁気冷凍が実現するためには室温で大きな磁気熱量効果を持つデバイスの開発が必須である.本研究では希土類(R)とFeの化合物から出発して,巨大磁気熱量効果を達成すべく以下のような材料研究を行った.
1)これまでの研究で強磁性から常磁性へ一次転移する化合物が大きな磁気熱量効果を有する可能性があることを指摘した.そして昨年MnAs_<1-x>Sb_xが室温で極めて大きな磁気熱量効果をもつことを見出した.本年度はこの系を中心に磁気転移温度のコントロール,温度ヒステリシスの改善などより実用的な観点からの基礎研究を行った.MnAsのAsをSbで置換すると構造相転移が抑えられ,強磁性から常磁性への磁気転移は二次転移になる.しかしこの二次転移は極めて異常で,磁化の温度変化は急峻であり,T_c以上でメタ磁性的な振る舞いが観測された.その結果,磁気熱量効果も0【less than or equal】x【less than or equal】0.3で非常に大きく,キュリー温度も220K〜317Kで変化させられることがわかった.この他ストイキオメトリーからのずれの効果なども調べた.
2)La(FeSi)_<13>は200K付近で一次転移を示し,大きな磁気熱量効果をもつことが報告されている.このSiをCoで置換するとTCが室温付近まで増大することが最近中国のグループによって報告された.そこでわれわれはLa(Fe_<0.88>Si_<0・12-y>Co_y)_<13>を作製し,その磁性を調べた.その結果この化合物はy【less than or equal】0.05でNaZn_<13>型構造をもち,T_cはy=0の195Kからy=0.05の260Kまで上昇することを明らかにした.y=0.05でもメタ磁性的な振る舞いが見られ,これは大きな磁気熱量効果があることを示唆している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 和田 裕文: "高温磁気冷凍材料の最近の発展"低温工学. 37・8. 397-403 (2002)

  • [文献書誌] 和田 裕文: "室温付近で巨大磁気熱量効果を示す遷移金属系化合物"日本応用磁気学会誌. 26・9. 959-965 (2002)

  • [文献書誌] H.Wada: "Giant magnetocaloric effect of MnAs_<1-x>Sb_x in the vicinity of first-order magnetic transition"Physica B. (to be publishede). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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