研究課題/領域番号 |
13650729
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
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研究分担者 |
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
明石 孝也 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20312647)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
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キーワード | 圧電体 / イオン伝導 / イツトリア安定化ジルコニア / 複合機能膜 / チタン酸バリウム / 複素インピーダンス / 酸素センサー / チタン酸ジルコン酸鉛 |
研究概要 |
今年度は、イオン伝導薄膜としてイットリア安定化ジルコニア薄膜(YSZ)を、圧電、強誘電薄膜として、チタン酸バリウム(BTO : BaTiO_3)薄膜の作製をMO-CVD法を用いて行った。各膜の最適成膜条件を見いだした後、YSZ/BTO/Pt/MgO膜なる構造を有する複合機能薄膜の作製を行った。膜の合成には、石英製横型ホットウォール式のMOCVD装置を用い、BTO膜の合成原料には、Ba(DPM)_2とTi(O-i-C_3H_7)_2(DPM)_2を、YSZ膜の合成原料には、Zr(dpm)_4、Y(dpm)_3を用いた。 YSZ薄膜作製において、最適なCVD条件を見いだし、Zr原料温度=503K、Y原料温度=403K、基板温度=873〜1023K、全圧=2kPaとした時、結晶性が良く(200)方向に配向した膜中Y_2O_3量が7〜12mol%含まれたYSZ単相膜が作製できた。YSZ膜の表面組織は粒径約400nmの級密な表面組織を持ち、断面組織は均一な柱状組織からなることがわかった。交流インピーダンス法により得られた複素インピーダンスプロットの低周波側にはスパイク、高周波側には半円が認められたことからイオン伝導性を有するYSZ膜であることが分かった。 BTO薄膜に関して、基板温度973K、全圧力0.4kPaの時、(100)配向が顕著な膜を得ることができた。 YSZ/BTO/Pt/MgO複合膜において、BTOおよびYSZのピークのみが見られ、第2相の生成は認められなかった。複合膜断面SEM観察からは、BTOは繊密な組織を、YSZは柱状組織をしており、それぞれの膜厚は400nmおよび1mmであった。
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