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2002 年度 実績報告書

圧電体により格子制御されたジルコニア薄膜酸素センサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13650729
研究機関東北大学

研究代表者

増本 博  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)

研究分担者 木村 禎一  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
明石 孝也  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20312647)
後藤 孝  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
キーワード圧電体 / チタン酸バリウム / チタン酸ジルコン酸鉛 / イオン伝導 / 複素インピーダンス / イットリア安定化ジルコニア / 振動依存性 / 複合機能膜
研究概要

今年度は、圧電体とYを8mol%含むYSZ(イットリア安定化ジルコニア)膜を組み合わせた複合機能膜を作製し、圧電体の振動がYSZ膜の電気特性に及ぼす影響について以下のことがわかり、研究を総括した。
(1)圧電体の振動の振幅強度の増加により、YSZ薄膜のインピーダンスの減少が認められた。この電気特性の圧電体の振動による影響は低周波数側で顕著であった。
(2)YSZ薄膜のインピーダンスの減少は共振周波数の時のみ特性が変化した。したがって振動周波数に依存するのではなく、振動の振幅強度に起因するといえる。
(3)YSZ薄膜のインピーダンスの変化に、温度変化依存性はなかった。
(4)圧電体振動周波数115kHz、電圧40Vで振動させたYSZ薄膜は、導電率が90℃において約2×10^<-6>Ω^<-1>m^<-1>であった。この値は、本研究で得られたおよび他の方法により得られた振動を与えないときのYSZ薄膜より約100℃以上低温において、約1ケタ以上高い導電率を示しており、振動がYSZ薄膜の導電率を向上させる効果があることが示唆された。
YSZのイオン伝導機構は、YSZ結晶中の酸素イオンがホッピング伝導によって移動することによる。本実験において用いた圧電体の最大変位量は、約500nmであり、この変位がすべてYSZ膜に伝わるとすると、YSZ膜には約0.003%のひずみ振動が印可されていることになる。このひずみ振動がYSZの格子間隔を広げ、酸素イオンのホッピング伝導を促進させたのかもしれない。
以上、圧電体の振動を利用してYSZ膜の格子定数を制御する、圧電体材料+イオン伝導体複合材料はYSZのイオン伝導を向上させる新しい手法として有効であることが、本研究により明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] R.Tu, T.Kimura, T.Goto: "Rapid synthesis of yttria-partially-stabilized zirconia films by metal-organic chemical vapor deposition"Mater. Trans.. 43. 2354-2356 (2002)

  • [文献書誌] T.Tohma, H.Masumoto, T Goto: "Microstructure and dielectric properties of barium titanate film Prepared by MOCVD"Mater. Trans.. 43・11. 2880-2884 (2002)

  • [文献書誌] T.Tohma, H.Masumoto, T.Goto: "Preparation of BaTiO_3-BaZrO_3 films by metal-organic chemical vapor deposition"Jpn. J. Appl. Phys.. 41・11B. 6643-6646 (2002)

  • [文献書誌] H.Masumoto, A.Kojima, T.Iijima, T.Goto: "Preparation of Ag-alloy top-electrode for ferroelectric Pb(Zr,Ti)O_3 films under various atmospheres"Jpn. J. Appl. Phys.. 41・11B. 6882-6885 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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