研究概要 |
電子機器の高密度実装では半導体の接合に用いられているはんだとして、現在Pb-Sn合金が主に使われているが、この合金に含まれるPbが人体や自然環境に多大な悪影響を及ぼすことが懸念されている。現在PbフリーはんだとしてSn基合金が期待されている。Cu基板とSnはんだとの界面における組織及び反応挙動は電子機器実装の信頼性に対して極めて重要である。本研究では、Cu基板とPbフリーSn基合金はんだとの界面反応に注目し、その反応生成物や界面形態の制御や予測手法を確立することを目的とする。 本年度では、Cu基板とSn-X合金の固/液相の拡散対における組織形態を調べ、更に、最も基本となるCu-Sn系における反応拡散に関する速度論の解析を行った。 純Cu/Sn-X(X:Ag,Sb,In,Bi,Pb)合金の固/液相拡散対を作成し、200、250及び300℃で熱処理し、時間及び組成の変化により、組織形態の変化を調べ、また、中間相の拡散挙動が明らかにした。更に、今まで報告されている拡散に関する実験データに基づき、DICTRAによりCu-Sn系におけるfcc相、ε(Cu_3Sn)相及びη(Cu_6Sn_5)相化合物における拡散の速度論のパラメータを評価し、これらのパラメータを用いて、各相の拡散挙動に関する実験結果を精度良く再現することができ、CuとSnとの拡散反応によって、界面の移動速度及びε及びη相の生成厚さも予測できた。
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