研究課題/領域番号 |
13650754
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高島 和希 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (60163193)
|
研究分担者 |
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00311663)
下条 雅幸 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00242313)
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
|
キーワード | ナノ結晶 / MEMS / 結晶方位配向 / Ni-Pアモルファス合金 / 微小試験片 / 知的材料 / 平面歪 / MEMS |
研究概要 |
MEMSデバイスを始めとして高密度電子機械集積デバイスは、21世紀の基盤技術として、実用化を目指した研究が進められている。このようなMEMSデバイスでは、ミクロンサイズの微小構造体に荷重が負荷されることになるため、信頼性、耐久性を向上させるには、そのような微小寸法材料に対する材料強化法の開発が必要となる。しかしながら、ミクロンサイズ材料の強化を行うためには、従来の材料強化法とは異なった手法の開発が必要となる。研究代表者らは、これまでアモルファス合金にある特定の応力負荷を行うと、変形後に方位の揃ったナノ結晶が生成することを見い出している。したがって、このようなナノ結晶の生成をうまく制御できれば、ミクロンサイズのMEMS材料の使用中に、その場かつ知的な強化が可能になると思われる。そこで本研究では、アモルファス合金の応力負荷に伴うナノ結晶析出のメカニズムを明らかにするとともに、その結果をMEMS用超微小材料の知的強化法へと展開させることを目的とする。上記の研究目的を達成するために、平成13年度においては、応力負荷に伴ってナノ結晶の析出が申請者らによってすでに確認されているNi-Pアモルファス合金を用いて、応力負荷に伴うナノ結晶の析出挙動ならびに応力負荷方向と結晶相の方位関係を調べた。試料にはA1合金基板上に無電解メッキで生成させたNi-Pアモルファス合金薄膜を用い、この薄膜より、MEMS部材を模擬した片持ち梁試験片を集束イオンビーム加工機により作製した。作製した梁試験片に対して、申請者らが開発した微小試験片用材料試験機を用いて曲げ試験を行った。曲げ試験後の試験片に対して透過電子顕微鏡観察を行った結果、曲げ試験片の平面歪状態の領域に、直径が約10nmのナノ結晶が析出していることを確認した。また、ナノ結晶の方位は、せん断力の作用する方向と関連して配向していた。
|