研究課題/領域番号 |
13650757
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮原 一哉 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70011096)
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研究分担者 |
青山 春男 日本金属工業(株), 主任研究員
篠田 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10023269)
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キーワード | 振動減衰能 / εマルテンサイト / Fe-Cr-Mn合金 / Fe-Al-Mn系合金 / 内部摩擦 / 相組織 |
研究概要 |
Fe-12 mass%Cr-x%Mn(x:6〜30)合金及びFe-6%Al-y%Mn(y:24〜30)合金につき、冷間加工誘起マルテンサイトの上記合金の室温減衰能特性に対する影響を調べた。溶体化処理後及び冷間加工後の上記合金中のα(α'相を含む)、γ及びε相量をX線回折法により求め、各合金試料の室温内部摩擦との関係を明らかにした。α及びγ相は合金尾の減衰能を増加させる効果は認められず、ε相のみ減衰能を大きく増加させる効果が認められた。特に、Fe-12%Cr-22%Mn合金の50%冷間圧延により最も多くのεマルテンサイト相が形成され(55volume%)、室温内部摩擦値も7x10^<-3>の大きな値を示した。Fe-12%Cr-Mn合金及びFe-6%Al-Mn合金中に形成されたεマルテンサイト相量と室温内部摩擦値との関係は一本のマスターカーブで示され、εマルテンサイト相量の増加と共に、室温内部摩擦値は単調に増加することが明らかになった。また、Fe-12%Cr-22%Mn合金の室温内部摩擦値に対する窒素量の影響についても明らかにした。0.009〜0.13mass%Nの濃度範囲において、内部摩擦値は窒素量の増加と共に減少した。εマルテンサイトに関連する減衰能増加のメカニズムとしては、εマルテンサイト中での底面における転位のすべり運動、あるいはε-γ界面の動きによる減衰能増加が考えられるが、窒素原子はこれらの運動に対するピンニングポイントとして作用し、減衰能を低下させたと考えられる。Fe-6%Al-Mn合金の冷間加工後に形成されるεマルテンサイト相量は多くなく、それに伴い減衰能も小さい値を示した。平成14年度はさらにεマルテンサイト形成を促進するプロセスを開発する予定である。
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