研究概要 |
スパッタ法による単層膜(NiとCo)と2種類の結晶方位をもつエピタキシャルNiOによる2層膜(Ni/NiOとNiFe/NiO)の研究を行った 1.単層膜Niについて,(1)垂直異方性磁界H_<up>は,30mTorrの高Ar圧側で最も大きく,500Åで3.2kOeである.(2)低Ar圧側では,垂直磁気異方性は小さくなり,面内異方性が大きくなる.(3)残留磁化比M_I/M_Sは,30mTorr以上の高Ar圧下で成膜中の印加磁界の平行方向,直角方向とも小さい値となり,面内異方性はみられなくなる.(4)保磁力H_Cは,30mTorrの高Ar圧側で最も大きく,500Åで300 Oeである.この変化は,強磁性共鳴による線幅ΔHの変化と結晶子の大きさの変化と一致する.(5)磁気抵抗効果Δρ/ρは,中間のAr圧で最も大きい値となる.最大値は、横効果(H⊥I)が0.70%,縦効果(H//1)が0.55%である. 2.単層膜Coについては,垂直異方性磁場(Hk)は,膜厚の減少伴い増加した. 3.2層膜Ni(500Å)/NiO(2000Å)とNiFe(500Å)/NiO(2000Å)について,(1)交換結合磁界H_<ex>は,NiO(100)面で最も大きく,Ni/NiO(100)で15.3Oeである.(2)磁気抵抗効果Δρ/ρは,横効果(H⊥I)と縦効果(H//I)で値が大きく異なる.Ni/NiOでは,NiO(110)面で最も大きく,横効果(H⊥I)が0.22%,縦効果(H//I)が0.61%である.NiFe/NiOでは,NiO(100)面で最も大きく,横効果(H⊥I)が0.77%,縦効果(H//I)が0.81%である.
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