| 研究概要 |
本研究では,鋼とアルミニウム合金のレーザによる重ね接合を対象とし,まず,境界要素熱伝導解析プログラムおよび解析手法を開発した.界面で固相/液相反応を仮定し,解析により接合条件を導き出し,実際にレーザ接合実験を行った.その結果,解析で予測した接合条件と実験で得られた接合条件は良く一致し,異種金属接合体を作製することができた.作製した接合体について,強度試験および接合界面・破面の観察・分析を行った.その結果,接合体界面には,FeとAlの金属間化合物が層状に生成していた.この金属間化含物層の強度は低く,見かけの接合体耐荷重を向上させるためには,接合面積を増加させることが重要であった.そこで,さらに,シミュレーション上で接合面積を増加させる手法について検討した.その結果,接合部形状の変更および接触片の適用により,界面温度分布に変化が認められ,とくに,接触片を用いることにより,界面の温度分布が緩やかとなり,接合面積を増加できる可能性が見出された.そこで,シミュレーション結果に基づき,実際のレーザ接合実験を行った.本研究で開発した熱伝導解析プログラムおよび手法により推測された接合条件と実際の接合実験で得られた接合条件はほぼ一致した.得られた接合体について断面観察およ強度試験を行った結果,接合面積の変化はシミュレーションの結果と同様の傾向を示し,また,見かけの接合体耐荷重は,接合面積の増加にともない増加した.以上のように,熱伝導解析シミュレーションに基づく異材接合支援手法を確立し,その有効性を実際のレーザ溶接実験で示した.
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