研究概要 |
平成13年度は,当初の計画に従い,分割回転コンテナを用いる強せん断付加押出し法において,コンテナ内の粉末に理想とするコンテナ横断面でのせん断変形を起こさせるには,どのようなコンテナ形状が適当であるか明らかにすべく,実験装置を製作し,その調査を行った. 製作した実験装置の仕様を以下に示す.固定および回転コンテナの空洞部断面形状:正六角形(対辺間距離D:14mm),回転コンテナの胴長L:7mmおよび14mm(両端の1mmの面取り部分を除く),回転コンテナの回転速度:12rpmおよび3.6rpm(減速器の交換による). 回転コンテナの胴長Lが大きければ,コンテナ内の粉末に理想的なコンテナ横断面でのせん断を起こさせられる.しかし,加工力(押出し力)低減の観点からは,前方押出しではコンテナは短い方が望ましい.そこで必要最低限のL/Dを明らかにするため,アルミニウム粉末(20〜42メッシュ)を実験材料に,一連の実験を行った.その結果,以下の知見を得た. (1)理想とする横断面でのせん断を起こさせるには,回転コンテナの胴長LがD/2では不十分であり,胴長としてD程度の長さが必要である. (2)回転数を多くして,過度にせん断変形を導入すると,低い圧力下ではクラックが発生するが,高い圧力下ではそれは抑制される. (3)コンテナ横断面での適当なせん断変形の付加は粉末の圧密固化に有効である. これらの成果は,第52回塑性加工連合講演会にて発表した.
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