研究概要 |
1.下記の仕様の「放射光透過観察用加熱炉」を研究開発し,製作した.特徴は,(1)立体的観察のために,試料を垂直軸回り±45度回転できること,(2)偽像防止及びコントラスト確保の目的で材質を選定し,ヒーダを炭素シート,絶縁板をアルミナ,ヒーターカバーをBNシートとしたこと,である. ・SPring-8のビームラインBL20及びBL19において,可動式ゴニオメータに設置可能なること. ・試料寸法は最大15mmx15mmで,板厚は,0.2mmから2.0mmまでに対応可能なこと. ・屈折イメージングによる透過像の回転測定を可能とするため,試料を垂直軸回り±45度回転しても像の撮影が可能なること.ただし,観察視野は水平方向10mm、垂直方向10mmとする. ・最高加熱温度は1200℃とする.(均熱領域は5mmx5mmで±5℃とする.)水冷方式により冷却するものとする.取り付けるテーブルの温度上昇は10℃以内とする. ・屈折イメージングによる偽像防止及びコントラスト確保のため,ヒーター,絶縁板,窓材は段差,穴のない細密・均一な材質で.かつX線の吸収の少ない材質であること. ・電極,ヒーター,絶縁板,窓,試料支持材は加熱の繰り返しに対し,劣化の少ない材質であること. ・炉にはカバーをつけ,雰囲気ガスとしてアルゴンまたはヘリウムを流せる構造とすること. 2.また,「電源調整器」を製作した.電源,温度制御器,過加熱に対する安全装置,パネル,ラックから成る. 3.加熱炉の試験的評価により標準的解像度を確認している。平成13年3月より,加熱炉の本格的評価実験を行う.
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