研究概要 |
本研究では13年度において、Ar, N_2,He中における、NaFの相互拡散係数の測定は終わり、Chapman-Enskogの式におけるパラメータを求めた。これを用いて、計算で得られるAr-NaFおよびN_2-NaF系の相互拡散係数は、実験値と非常によい一致を示すことがわかった。しかしながら、He-NaF系の相互拡散係数の計算値は、実験値と大きく異なっていた。この原因として、He-NaF系の場合は、NaFのダイマーとして気相中に存在する可能性あと考えられたため、Chapman-Enskogの式における原子間相互作用パラメータを、ダイマーにおける双極子モーメントによって補正し、新しいパラメータを求めた。これを用いた計算結果は、実験値と非常に良く一致することがわかった。14年度において、SiF_4中におけるNaFの拡散現象を明らかにした。上述したように、SiF_4-NaF系においては、Na_2SiF_6が生成することがわかっているので、Na2SiF6の存在が、NaFの拡散現象にどのように影響するのを調査した。結果として、蒸発するときは、SiF_4、NaFがそれぞれ独立に蒸発することがわかった。また、Na_2SiF_6が生成する条件は、SiF_4中でNaFが析出する場合に生起するものと思われる。
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