研究課題/領域番号 |
13650799
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
永田 明彦 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (20005945)
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研究分担者 |
渡辺 和雄 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (30143027)
魯 小葉 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (60292364)
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キーワード | 高温超伝導材料 / Bi系超伝導体 / 磁場配向 / 凝固 / 組織制御 |
研究概要 |
平成13年度に引き続き、Bi_<1.8>Pb_<0.4>Sr_<1.9>Ca_<2.1>Cu_<3.5>Ox組成の試料を用いて、10Tの強磁場中で、835℃〜860℃の間を5℃刻みで温度を変えて、120hの熱処理(焼結)を行い、SEMによる組織観察、XRD解析とVSM測定等を行った。また同じ装置を用いて無磁場中でも試料作製し比較検討した。その結果850℃〜855℃で焼結した試料は磁場方向にc軸配向したBi-2223結晶とBi-2212結晶の混合組織であった。850℃の焼結ではBi-2223相の体積率は,約80%で配向性も高いが、855℃になるとBi-2223相の配向性はさらに向上したが体積率は約50%に落ちた。845℃以下の焼結では多量のBi-2223相は得られたが、配向性はほとんど見られなかった。このように焼結温度上昇で配向性は向上するが、本実験最高温度である860℃での焼結ではBi-2223相はほとんど生成しなかった。Bi-2223相は液相から直接晶出せず、まず液相からは超伝導相としてはBi-2212相が現れ、その後Biフリーの21相および11相と反応してBi-2223相は生成する。これらの結果からBi-2212相の凝固温度は855℃より高く、Bi-2223相の生成温度は855℃より低いと考えられる。 無磁場中焼結試料では超伝導相の配向性は認められないが、Bi-2223相の生成ではほとんど同じ結果が得られた。 以上の結果から磁場中凝固・焼結において、配向性の改善には液相の存在が重要であると結論できる。
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