研究課題/領域番号 |
13650810
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 敬幸 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90242883)
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研究分担者 |
小林 潤 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60314035)
渡辺 藤雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70109312)
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キーワード | 灯油給湯器 / 省電力 / 輻射熱 / 還流 / ターンダウン比 / 気液異相緩和 |
研究概要 |
家庭用灯油機器の一つとして灯油気化式給湯器があるが、燃料気化に電気ヒータが必要で待機中にも瞬時給湯が可能なように、気化器を保温しなければならないという短所を持っている。よって灯油の経済性を損なわぬようランニングコスト面での性能を向上するために、気化器での消費電力の削減が重要課題となっている。既往の研究では孔径の非常に大きい多孔セラミックプレートをバーナ部に設置することにより、火炎および高温炉壁からの輻射熱の還流が促進され灯油の蒸発継続が可能となり、定常燃焼時には気化用ヒータ電力が不要であるという報告がされている。しかし着火時については依然電力面での問題が残されている。そこでこの問題を解決するために超音波噴霧バーナを用いた灯油着火装置を提案した。しかし超音波噴霧バーナの基礎的研究についてはほとんどなされていないのが現状である。本研究では、高周波振動子を用いて液体燃料をμmオーダーにミスト化して瞬時に空気との混合を経て気液異相状態を容易にかつ高速に緩和し(つまり、蒸発・混合の促進)、これを気相燃焼する新しい液体燃焼法の開発をめざすために、超音波噴霧を用いた灯油予混合小型バーナを試作し、気液異相緩和速度の定量化とそれに付随する燃焼状態の把握を行うために、燃焼排ガス中化学種の測定評価、特に空気供給方法がNOx排出特性に及ぼす影響を考察し、その条件を求めた結果、次の結果を得た。 ・適宜な空気供給を行うことにより、火炎の局所高温部抑制により大幅にNOx排出量が抑制することが可能である。 ・高周波印加により気液異相緩和が高速化されることに伴い、気相燃焼と同等な青炎燃焼が安定かつ定常的に可能である。
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