研究課題/領域番号 |
13650814
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小渕 茂寿 山口大学, 地域共同研究開発センター, 助教授 (30225560)
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研究分担者 |
荒井 康彦 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005435)
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キーワード | 高分子 / 揮発性有機溶媒 / 無限希釈溶媒濃度 / 相互拡散係数 / 吸収法 / ガスクロマトグラフ法 / 自由体積理論 / 推算 |
研究概要 |
1.ガスクロマトグラフ法による無限希釈溶媒濃度の相互拡散係数の測定 ポリn-ヘキシルメタクリレート(PHMA)+酢酸エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル)系及びPHMA+ケトン(アセトン、MEK、メチルプロピルケトン)系の40℃、50℃、60℃の相互拡散係数データを蓄積し、有限溶媒濃度での相互拡散係数データとの比較により、無限希釈溶媒濃度での相互拡散係数を評価した。 2.吸収法による有限溶媒濃度における相互拡散係数の測定 吸収法により、PHMAに対する酢酸エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル)系およびPHMA+アセトン系の40℃〜70℃での相互拡散係数を測定し、溶媒濃度(質量分率)がおよそ0.01〜0.15範囲での系統的な相互拡散係数データを蓄積した。測定した濃度範囲において、これらの系では濃度の増加とともに相互拡散係数は単調に増加すること、温度の上昇につれ大きな値を示すこと、温度上昇による相互拡散係数の増加間隔は小さくなること、を明らかにした。また、溶媒の分子量が大きくなるにつれ、相互拡散係数は小さな値を示すことを明らかにし、分子量依存性が確認できた。 3.自由体積理論による相互拡散係数の推算 PHMA+酢酸エステル系につき、測定した相互拡散係数データを用いて、自由体積理論に基づく推算式に必要とされる高分子のパラメータを除く、6つのパラメータを溶媒の分子量、沸点分子使用容、凝集エネルギーから求める新しい相関式を提出し、推算を行った。測定温度、濃度範囲においては、最大でも12%程度の誤差で相互拡散係数の推算が可能であることを示した。
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