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2002 年度 実績報告書

超臨界水中でのイオン反応におよぼす動力学的塩効果

研究課題

研究課題/領域番号 13650823
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 憲司  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00216714)

キーワード反応速度 / 水和電子 / ヒドロキシルラジカル / 溶媒和 / 電子移動
研究概要

水の臨界温度近傍での水和電子およびOHラジカルの反応速度の温度・圧力依存性を詳細に研究した。反応速度の測定にはパルスラジオリシス法を用いた。時間分解能は約5ナノ秒である。水和電子とニトロベンゼンの反応速度は、ほぼ拡散律速で進行するが、臨界温度近傍では急激に反応速度は遅くなった。また、水和電子と亜酸化窒素の反応は反応距離依存性を考慮したマーカス型電子移動反応モデルにより説明できた。
OHラジカルと水素との反応速度は、気相での反応速度に比較して約10倍ほど速い。しかし、350℃近傍では、急激に反応速度は遅くなり、気相での値に漸近する。溶媒和を考慮した遷移状態モデルを用い、各温度での反応体の水和エネルギーを計算した結、旺、気相と水中での反応速度の違いを説明できることが分かった。一方、同様の計算により、OHラジカルとベンゼンとの反応では、350℃近傍でも、気相および水中での反応速度には大きな差があることが判明した。従って、高温気相中の反応速度を高温水へ適用することは、大きな誤差につながる可能性が高い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kenji Takahashi: "Reaction rates of the hydrated electron with NO_2, NO_3, and hydronium ions as a function of temperature from 125 to 380 C"Chem.Phys.Lett.. 357. 358-364 (2002)

  • [文献書誌] Jason A.Cline: "Pulse radiolysis of supercritical water I. Reactions between hydrophobic and anionic species."J. Phys. Chem. A.. 106. 12260-12269 (2002)

  • [文献書誌] Timothy W. Marin: "Pulse radiolysis of supercritical water II. Reaction of nitrobenzene with hydrated electron and hydroxyl radicals."J. Phys. Chem. A.. 106. 12270-12279 (2002)

  • [文献書誌] 荒井康彦: "超臨界流体のすべて"テクノシステム. 656 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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