研究概要 |
1.メタノール水溶液によるコールタール吸収油の平衡抽出 メタノール水溶液を溶媒としてコールタール吸収油の平衡抽出を行った。抽出相中には含窒素複素環式化合物が選択的に抽出されており,コールタール吸収油中に含まれるこれらの成分とこれら以外の成分,すなわち同素環化合物など,とが溶媒抽出法により粗分離できることを再確認した。 2.抽出相の単蒸留 1.で得られた抽出相の単蒸留を行った。留出物はメタノールに富んでおり抽出相に含まれていたうちの最大で約8割が回収できた。缶出物は水に富んだ相およぴ含窒素複素環式化合物に富んだ抽出物の相の2液相を形成し,これちは容易に分相できた。抽出相を蒸留し,メタノールに富んだ留出物と2液相の缶出物のうちの水に富んだ相を混合しメタノール水溶液としこれを溶媒とすることにより,抽出相中のメタノール水溶液と抽出物の分離が可能であることを示した。 3.第2の溶媒による抽出相の平衡抽出 第2の溶媒(逆抽出溶媒)としてトルエンおよびヘプタンを用いて,1.の抽出相の平衡抽出(逆抽出)を行った。いずれの逆抽出溶媒の場合においても,含窒素複素環式化合物に富んだ抽出物が選択的に逆抽出され,逆抽出法によっても抽出物とメタノール水溶液との分離が可能であることを示した。また,ヘプタンに比較してトルエンを逆抽出溶媒とした場合の方が,含窒素複素環式化合物に富んだ抽出物の収率が高く,トルエンの方が逆抽出溶媒として優れていた。
|