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2003 年度 実績報告書

有機溶媒耐性乳酸菌による新規乳酸発酵プロセスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 13650833
研究機関同志社大学

研究代表者

松本 道明  同志社大学, 工学部, 教授 (10157381)

研究分担者 近藤 和生  同志社大学, 工学部, 教授 (30038096)
キーワード乳酸発酵 / 有機溶媒耐性菌 / 火落ち菌 / 溶媒抽出 / 協同効果 / トリオクチルアミン / イオン性液体
研究概要

乳酸は生分解性のポリマーの原料として注目され,光学活性な乳酸を生産するために発酵生産が行われている.経済性の向上の観点から発酵生産と同時に乳酸を反応液から分離除去する溶媒抽出法の適用が特に注目されている.しかし溶媒抽出法では,用いる有機溶媒および抽出剤が多くの場合乳酸生産菌に有毒であった.そこで本研究では有機溶媒および抽出剤に耐性な乳酸菌を用いる新しい乳酸発酵プロセスを構築することを目的として実験を行い,今年度は以下の知見を得た.
1.抽出剤耐性乳酸菌を用いた抽出発酵に関する研究
アルギン酸カルシウムに乳酸菌と炭酸カルシウムを包括固定化したカラムを用いて,乳酸の抽出発酵装置を組み立て,乳酸の抽出発酵を行った.抽出相を添加した場合,添加しない場合に比べて発酵時間は約2倍長くなったが,発酵は進行した.抽出相を添加することにより,最終的に生産される乳酸濃度,収率はそれぞれ10.2g/Lから17.5g/L,69.4%から84.6%までに改善することができた.
2.イオン性液体を利用した乳酸の抽出分離とその乳酸菌毒性に関する研究
揮発性有機溶媒の代替物として,蒸気圧が極めて小さなイオン性液体が脚光を浴びている.本研究では乳酸製造プロセスにおけるイオン性液体の有機溶媒代替物質としての可能性を検討することを目的とし,様々な乳酸菌に対するイオン性液体の毒性及びイオン性液体の乳酸抽出能を評価した.イオン性液体に対する乳酸菌の耐性は疎水性の大きく異なる[Bmim][PF_6]と[Et_2MeMeON][Tf_2N]が同程度の毒性を示し,イオン性液体の構造が耐性に寄与するものと考えられた.このことは有機溶媒耐性に見られる排出機構とは異なる防御機構がイオン性液体に対して働くためと推定した.最後に抽出剤リン酸トリブチルを含むイオン性液体による乳酸抽出が可能であり,その抽出率は従来の有機溶媒と同程度であることがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Michiaki Matsumoto: "Synergistic extraction of lactic acid with alkylamine and tri-n-butylphosphate : effects of amines, diluents and temperature"Separation and Purification Technology. 33・1. 89-93 (2003)

  • [文献書誌] Michiaki Matsumoto: "Tolerance of ionic liquids and organic solvents to lactic acid-producing bacteria"Proceedings of Asia Pacific Biochemical Engineering Conference 2003. 252-254 (2003)

  • [文献書誌] Michiaki Matsumoto: "Extraction of organic acids using imidazolium-based ionic liquids and their toxicity to Lacobacillus rhamnosus"Separation and Purification Technology. 印刷中.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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