研究概要 |
1.球状メソポーラスシリカの吸着性能評価:比表面積が1,000m^2/gを超える直径が500μm程度の球状メソポーラスシリカを、テンプレートとして界面活性剤を用いて調製した。球状メソポーラスシリカ中の界面活性剤をそのままにして、水溶液中に溶解している有機物質の吸着分離特性について詳細な検討を行った。その結果、界面活性剤の疎水基からなる疎水領域に水相中の有機物質が可溶化され、その可溶化量は有機物質の疎水性の程度が高くなるほど大きくなった。 2.官能基を導入した球状メソポーラスシリカ体の調製:調製した球状メソポーラスシリカから界面活性剤を焼成または溶媒抽出により除去した。表面のシラノール基にアミノ基を有するトリエトキシシランを縮合反応で表面修飾を行った。このようにアミノ基を表面に導入した球状メソポーラスシリカを用いて水溶液中のイオン性界面活性剤の吸着特性を評価した。 3.球状ロソポーラスシリカ・チタニア複合体の調製:現在、球状のメソポーラスシリカを調製する際にチタンアルコキシドを共存させることによって、球状のシリカ・チタニア複合体を合成できることが明らかとなっているが、その強度が弱いという問題点があった。そこで、メソポーラスシリカの球状を保ったままチタニアを複合化し強度の大きな球状メソポーラスシリカ・チタニア複合体を合成した。得られた複合体を用いて、水溶液中のメチレンブルーの吸着特性および光分解特性を評価した。
|