研究概要 |
本年度は、金属錯体の酸化物への固定化と表面モレキュラーインプリンティング法を組み合わせて分子認識能を有する不均一系触媒を開発することを目的として、シリカ担体上のロジウム触媒系について精密化を行った。 また、シリカ積層にかわる単量体重合法の検討、不斉配位子の導入の検討などを行った。 昨年度から継続して行っているモレキュラーインプリンティング(M. I.)法により調製したシリカ担持ロジウム触媒(MI-Rh/SiO2)について、Rhダイマー構造の確認をEXAFSにより行い、固体NMR、XPS、BETによりキャラクタリゼーションを行った。更に、この触媒を用いて3-ethylpent-2-ene,4-methylhex-2-ene,3-methylpent-2-ene, oct-2-eneに対して、水素化反応を行った。 3-ethylPent-2-eneはモレキュラーインプリンティングにより水素化活性が35倍も増大していることがわかった。モレキュラーインプリンティングによりアルケンのエチル基の位置を識別できたことになる。 Rhダイマー構造の配置、配位子の配向、シリカマトリクス中のポア構造が活性サイト上の水素化反応を制御していると考えられる。 新規重合法の検討、不斉配位子の導入、水素化以外の反応に関しては、更に詳細な検討が今後必要である。
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