研究課題/領域番号 |
13650859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
桐村 光太郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90195412)
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研究分担者 |
宇佐美 昭次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063508)
木野 邦器 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60318764)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | バイオテクノロジー / 生体機能工学 / バイオ生産プロセス / 微生物機能 / バイオ脱硫 / 好熱性細菌 / ジベンゾチオフェン / フラビンレダクターゼ |
研究概要 |
本研究では、現行の石油精製工程を補完する新規な石油脱硫技術の開発を目的として、バイオ脱硫に関する研究を実施した。 50℃の高温条件下でジベンゾチオフェン(DBT)を唯一の硫黄源として増殖可能な微生物を探索し、新規な好熱性DBT脱硫細菌として,Bacillus subtilis WU-S2BおよびMycobacterium phlei WU-F1を単離した。あらかじめ培養したM.phlei WU-F1を生体触媒として利用し軽油と水の二相系(oil/water=1/1(v/v))で45℃にてバイオ脱硫を行った。軽油燃料として市販品と同組成のF-LGOと試作軽油X-LGOを使用した場合、F-LGOを120ppm-Sから50ppm-Sに、X-LGOを34ppm-Sから15ppm-Sにまで脱硫可能なことを明らかにした。以上より、M.phlei WU-F1を用いたバイオ脱硫により金属触媒を用いた水素化脱硫だけでは到達困難な濃度域にまで軽油を脱硫可能なことを明らかにした。 また、B.subtilis WU-S2BおよびM.phlei WU-F1からDBT脱硫遺伝子bdsABCおよびそれぞれの菌株よりフラビンレダクターゼ遺伝子frbおよびfrmをクローニングした。frbまたはfrmをDBT脱硫遺伝子bdsABCと大腸菌内で共発現させることにより、広範な温度条件下20-55℃においてDBT脱硫活性を飛躍的に向上させることに成功した。さらに、DBT脱硫遺伝子bdsABCおよびフラビンレダクターゼ遺伝子frmをM.phlei WU-F1に新たに導入し遺伝子増幅を行った組換え株を作製したところ、45℃の高温条件下で原株の2.2倍のDBT脱硫活性を示した。これより、M.phlei WU-F1の脱硫活性を遺伝子増幅により強化可能なことを明らかにした。
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