• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

強磁場による導電性ポリマーの機能制御と修飾電極への応用

研究課題

研究課題/領域番号 13650876
研究機関東北大学

研究代表者

茂木 巖  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50210084)

キーワード導電性ポリマー / 磁気電解重合 / 磁場効果 / レドックス反応 / 修飾電極
研究概要

我々は機能性材料の合成過程に強磁場を印加し,磁場により材料の形態や機能を制御する手法を開発している.本研究では,そのようにして制御された材料を,電極や触媒などに用いることにより,化学反応を制御することを目指している.具体的には,磁場配向が期待できる導電性ポリマーを磁場中で電解重合し(磁気電解重合),その重合膜を修飾電極に用いて電気化学反応を制御するという計画である.
代表的な導電性ポリマーであるポリピロールのモルフォロジーや酸化還元に伴うドープ・脱ドープ過程が磁気電解重合により変化することが明らかとなっている.ただ,この磁気電解重合膜の性質にはまだまだ未解明の点が多く,様々な可能性を秘めているものと期待できる.新たな可能性を探索するために今年度は,フェロシアン/フェリシアンの酸化還元系を取り込んだポリピロール膜の作製に磁気電解重合を適用し,膜の電気化学的な挙動を調べてみた.Fe(CN)_6^<3->がドーピングされたポリピロール膜のボルタモグラムにはポリピロール自身の酸化還元に加えて,0.2V付近に膜内に取り込まれたFe(CN)_6<3->の酸化還元応答が観察される.この膜を磁場中で電解重合してそのボルタモグラムを測定してみた,磁気電解重合膜では0.2V付近の酸化還元ピークが重合時の磁場の増加とともに小さくなってゆき,5テスラの磁場中で作製した膜では消失した.かわって-0.3V付近に新たな酸化還元ピークが現れた.このピークは重合時のK_4Fe(CN)_6の濃度に依存することから,フェロシアン/フェリシアンの酸化還元であると結論づけられた.この磁場効果は酸化還元に伴うアニオンのドーピング・脱ドーピングが磁気電解重合膜で起こりにくくなっていることに起因しているものと考えられる.このように,フェロシアン/フェリシアンの酸化還元反応のように,直接磁場を印加しても何ら磁場効果は観察できないような反応でも,磁気電解重合法によりその挙動を制御できることを見いだした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 茂木 巖: "導電性ポリマーの磁気電解重合と修飾電極への応用"Chemical Sensors. 18. 142-152 (2002)

  • [文献書誌] 尾関寿美男, 山口益弘, 谷口能文, 茂木巖, 他: "磁気科学---磁場が拓く物質・機能および生命科学のフロンティア---"アイピーシー. 536 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi