規則性のある粘土層に対して、集合体となって規則性を作り出す界面活性剤を層間に配向させることによって、新たな反応場を構築することができる。この空間を反応場として用いた場合には、粘土の種類、界面活性剤の種類、密度などによって界面活性剤の配向及び余剰空間、静電場、親・疎水性作用などを目的に応じた状態に制御することが可能と思われる。粘土は、可視光に対して透明であるので、選択的なエネルギー伝達が可能な光反応場として用いるのに適している。ポルフィリン誘導体を用いた人工光合成型光反応系の構築を目指している。 本研究では、粘土層にインターカレーションされた界面活性剤の配向について、分子軌道計算による構造と実測値により決定した。 光反応を行うポルフィリン誘導体の反応活性種の光物理化学的性質測定について優れた特性を持つダイアモンド電極による酸化還元電位の測定を行った。この電極と測定分子の分子軌道計算により、電極の水素末端表面と酸素末端表面でのダイアモンド-分子間の相互作用について検討を行った。 アニオン性粘土の表面は、粘土の種類、組成によって負荷電の発生位置が異なり、粘土表面での荷電分布は異なる。しかし従来は、トータルでの荷電密度等に関する議論は行われてきているが、表面吸着分子が感じる荷電の広がりについてミクロな視点での検討は行われていなかった。 総荷電が同じであるが荷電の発生位置や荷電発生原子の違いによる荷電分布のミクロな広がりの違いについて算出し、わかりやすく可視化を行い、比較検討を行った。
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