250℃でGeS_2ガラスを9GPaまでの圧力で超高圧処理した。永久高密度化ガラスの密度は6GPaまでは印加圧力に比例して増加し、6GPaから9GPaの圧力域において平衡値に達した。永久高密度化GeS_2ガラスの構造を調べた結果、常圧下ではα型およびβ型のGeS_2結晶の中間的な構造をもつガラス構造は、印加圧力の増加と共に、大きな空洞が無いII型GeS_2結晶の構造へと変化することが分かった。 250℃で55ZrF_4・17BaF_2・23EuF_3ガラスを9GPaまでの圧力で超高圧処理した。その結果、ガラスの密度は3GPaまでは印加圧力と共に増加するが、3GPaで最大値を示し、その後、印加圧力と共に徐々に減少するという異常現象を示した。永久高密度化ガラスの構造を調べた結果、この高密度化異常現象はBa^<2+>イオン周りのF-イオンの構造の圧力依存性に起因することが明らかになった。 フッ化ジルコニウム系ガラスの高密度化における異常現象が、ガラスのフラジリティー概念と相関するのではないかという推測を実証するために、異なるフラジリティーを持つと考えられる異なるガラス系、すなわち、フッ化ジルコニウム系、GeS_2、ケイ酸塩系のガラスについて、ガラスの超高圧処理による永久高密度化挙動を調べた。その結果、推測を実証する結果を得た。 フッ化ジルコニウム系ガラスの高密度化異常現象を分子動力学計算によるシュミレーションを行い、原子レベルで構造変化を追跡し、実験結果を実証した。
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