(1)ろ紙、木材を950℃、アルゴン中で炭素化した炭化物を基質としてメタン、プロパンを用いて1000℃でCVIを行い、多孔質炭素電極を作製した。X線回折、ラマンスペクトルの測定より、結晶性の良い炭素が析出していることがわかった。これは炭素の析出反応が間歇的に行われるので、通常のCVD反応より析出物の結晶化が起こり易いためと考えられる。また、この炭素電極および石油コークスの表面フッ素化をフッ素ガスを用いて行った。フッ素化により多くの場合、表面積が広がり、1.5〜2nm、2〜3nmのメソ孔が増加することがわかった。黒鉛のフッ素化反応過程をラマンスペクトルで調べたところ、500℃の高温における数分間の表面フッ素化でもフッ素化炭素層は平面性を維持していることがわかった。 (2)1M-LiClO_4エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート溶液中における充放電実験より、CVI法で作製した電極の初期クーロン効率は85%程度と極めて高い値を示し、また表面フッ素化電極は元の炭素電極より高い容量を示した。 (3)黒鉛電極の低温における電気化学特性を上げるために1M-LiClO_4エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート溶液中にフッ素エーテル、エステルを少量添加し、低温における充放電実験を行ってみたところ、黒鉛電極の容量が増加することがわかった。
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