研究概要 |
1.1,1-ビスヒドロペルオキシシクロアルカンの二当量の不飽和ヨージドによるアルキル化で1,1-ビス(アルケニルペルオキシ)シクロアルカンが得られるが、それに続くメタノール中でのオゾン化、あるいはCo(II)を触媒とする酸素酸化により、片方の不飽和結合のみをヒドロペルオキシ化することに成功した。このようにして調製された不飽和ヒドロペルオキシドにI^+をメディエーターとする環化を適用したところ、目的の13員環過酸化物が50%もの収率で合成できることを見いだした。 2.より汎用性の高い大環状過酸化物合成法開発を目指し、新しい合成ユニットとして2-メトキシイソプロピル基で保護されたヨウ化アルキルヒドロペルオキシドを開発した。`次いで、このユニットを用いて多様な鎖長を持つ不飽和ヒドロペルオキシドを調製した後、I^+をメディエーターとする環化を試みた。その結果、12〜20の員環数を持つ環状過酸化物を約50%もの高収率で得ているが、20員環過酸化物はこれまで知られている環状過酸化物の中で最大の員環数を持つものである。
|