研究課題/領域番号 |
13650910
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三浦 勝清 筑波大学, 化学系, 講師 (20251035)
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研究分担者 |
細見 彰 筑波大学, 化学系, 教授 (00004440)
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キーワード | ジメチルシリルエノラート / α-ジメチルシリルエステル / アルドール反応 / インジウム / ヒドロシラン / ラジカル還元 / ラジカル付加 |
研究概要 |
1.ジメチルシリルエノラート、α-ジメチルシリルエステルの求核付加反応 塩化カルシウムを促進剤とするジメチルシリルエノラートのアルドール反応は、水を溶媒としてもある程度進行するが、等量の塩化テトラブチルアンモニウムを用いることで反応効率を改善できることがわかった。α-ジメチルシリルエステルの求核付加反応について詳細に検討した結果、金属塩の適切な選択により、様々なアルデヒドやケトンの高効率的アルドール反応が可能となった。アルデヒドとのアルドール反応は、触媒として塩化リチウムを用いると高収率で進行した。一方、ケトンとのアルドール反応では、塩化マグネシウムが反応促進に効果的であることがわかった。共役エノンとの反応では、マイケル付加よりもアルドール反応が優先した。これによって生成するアリルジメチルシリルエーテルは、分子内でのヒドロシリル化や酸触媒によるδ-ラクトン合成に利用することができた。 2.ヒドロシラン類を用いたラジカル還元反応 酢酸インジウム(III)を触媒とするフェニルシランによるハロアルカン類のラジカル還元についてさらに検討した結果、エタノール中、室温という極めて穏和な条件下でも、ヨードアルカン類の還元が効率良く進行することが明らかとなった。本還元系はヨードアルカン類と電子不足アルケンの分子間ラジカル付加反応にも有効であり、有機スズ化合物や有害な有機溶媒を用いない、穏和な条件下での高効率的な分子間ラジカル反応の開発に成功した。
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