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2001 年度 実績報告書

複素環大環状化合物のカラースイッチング機能及びリチウム選択的輸送機能

研究課題

研究課題/領域番号 13650916
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

小川 昭二郎  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (20013196)

キーワード大環状化合物 / リチウム / 液膜輸送 / 海水
研究概要

我々はすでに4つのピリジン環からなる大環状化合物がリチウムイオンを極めて強くまた特異的に配位することを見出している。しかし、この化合物は配位力が強すぎるため、液膜輸送用キャリヤには使えない。そこで、ピリジン環の一つをピリジリデン構造とし、-N=を-NH-とすることにより、配位力が弱まり輸送用キャリヤとして極めて適したものとなることを見出した。これをキャリヤとして海水モデル水溶液(LiCl, NaCl, KCl, MgCl2, CaCl2を含む)より液膜輸送を行ったところ、全金属塩中0.005mol%だったLiClが2.7%に濃縮された。さらに輸送を繰り返したところ、驚くべきことに80%に濃縮されることがわかった。これまでアルカリ金属イオンの輸送には過塩素酸イオンやチオシアン酸イオンのような脂溶性アニオンを対イオンとして用いることが一般的であったが、本研究におけるような塩化物イオンで成功した例は極めて珍しい。このことは、アニオン交換することなく直接海水を用いることができるため、経済的、エネルギー的に極めて有利である。本研究成果は、J. Am. Chem. Soc.に速報として掲載されることが認められ、印刷中である。
さらに最近、長鎖アルキル基をもつ大環状化合物がリチウムイオンを取り込むことにより、分子が特異的なコンホメーションをとり、興味深いNMRスペクトルを与えることがわかり、現在、置換基の効果を検討中である。今後、歪のかかった錯体として、蛍光スペクトル挙動等を調べ、リチウムイオン微量分析用試薬としての利用も検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] R.Ibrahim, S.Tsuchiya, S.Ogawa: "A Color-Switching Molecule : specific Properties of New Tetrauza Macrocycle Zinc Complex with a Facilely chogen Atom"J. Am. Chem. Soc.. 122(49). 12174-12185 (2000)

  • [文献書誌] S.Tsuchiya, Y.Nakatani, R.Ibrahim, S.Ogawa: "Highly Efficient Separation of Lithium chloride from seawater"J. Am. Chem. Soc.. (予定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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