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2001 年度 実績報告書

有機分子ライブラリーのためのキラル合成素子群の実用合成

研究課題

研究課題/領域番号 13650919
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

原田 俊郎  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30135628)

キーワード不斉合成 / ジオール / キラル合成素子 / 不斉非対称化
研究概要

キラル合成素子は、天然物や生理活性化合物などの複雑な立体構造を持つ有機化合物の不斉合成研究において生れた概念であり、不斉炭素とともに二個以上の異なった官能基を持つ低分子量有機化合物(キラル合成素子)を原料に用いて、標的分子の立体化学を構築しようとするものである。キラル合成素子の利用は従来、特定の標的化合物の全合成に限られ、安価で入手容易な低分子量天然物や酵素反応で簡便に合成できる特定の光学活性化合物のみが利用されてきた。立体的に幅広いスペクトラムを持った一連のキラル合成素子の一般的合成法を確立することができれば、実効性の高いライブラリー構築のために必須である、多様性に富む光学活性化合物群の提供が可能になると考えられる。このような観点から、本研究では、プロキラルジオールの不斉非対称化に基づく不斉合成反応の開発研究を、有機分子ライブラリーのためのキラル合成素子群の実用合成へと展開することを目指した。
2-フェニル-1,3-プロパンジオールの不斉非対称化を種々の条件で検討した結果、1-ナフトアルデヒドとの反応で合成される環状アセタール誘導体をN-トシルナフチルアラニンより調整したオキサザボロリジノン錯体の共存下で処理することにより、エナンチオ選択的(90% ee)なアセタール環開裂が進行することが明らかとなった。また、得られた開裂生成物を光学活性体3-ベンジルオキシ-2-フェニルプロパノールに変換する手法を確立した。環状アセタール誘導体のエナンチオ選択的開裂反応を用い、様々な2位置換-1,3-プロパンジオール類の不斉非対称化を検討したところ、2位の置換基がiso-プロピル基やシクロヘキシル基等比較的かさ高い場合に良好なエナンチオ選択性が得られることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 原田 俊郎: "Enantioselective Ring-Cleavage of Dioxane Acetals Mediated by a Chiral Lewis Acid : Application to Asymmetric Desymmetrization of meso-1, 3-Diols"Org.Lett.. 3. 3309-3312 (2001)

  • [文献書誌] 原田 俊郎: "Asymmetric Mukaiyama-Michael Addition of Acyclic Enones Catalyzed by allo-Threonine Derived B-Aryloxazaborolidinones"Org.Lett.. 3. 2101-2103 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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