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2002 年度 実績報告書

不斉オキシパラジウム化法とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 13650925
研究機関高知工科大学

研究代表者

細川 隆弘  高知工科大学, 工学部, 教授 (90029520)

研究分担者 志賀 昭信  住友化学工業(株), 筑波研究所, 室長研究員
小廣 和哉  高知工科大学, 工学部, 助教授 (60170370)
キーワードアリルアルコール / ビニルエーテル / オキシパラジウム化 / カテコール
研究概要

本研究では,精密有機合成化学に寄与し得る高機能性Pd^<2+>/Cu^<n+>触媒の開発を行い、アリルアルコール類のビニルエーテル体へのオキシパラジウム化過程と,それに続く分子内環化の高度制御を行い、キラルな含酸素複素環化合物の合成を行うことを目的とした。本年度は,この目的の下で,(1)触媒システムの高機能化と(2)不斉反応への展開に重点を置いた。その結果,カテコールを組み込んだ触媒系(Pd(OAc)2/Cu(OAc)2/カテコール)がアルケンへのオキシパラジウム化過程を含む反応の触媒化に効果的であることを見出した.このことは,この触媒化に重要な役割を演じる酸素分子がカテコールー銅錯体によって活性化される効果的なシステムが構成されることに起因すると考えられる.この点を住友化学工業(株)製の計算化学ソフト"LUMMOXTM"を用いて検証した.この触媒系を用いれば,アリルアルコール自身とビニルエーテルからエキソメチレンテトラヒドロフラン体が80%以上の収率で得られることが分かった.この型の反応で,エチルビニルエーテルに変えて,エチル3-アクコキシ-1-プロペニルエーテルを用いるならば,グラム陽性菌等に対して抗微生物活性を示すエキソメチレンテトラヒドロフラン体誘導体の合成を行うことができる.この計画について現在なお鋭意検討中である.続いて,アリルアルコールとしてシンナミルアルコールを基質に選びエチルビニルエーテルとの反応による光学活性ジヒドロピラン体の合成を検討した.非極性溶媒であるトルエンを用い,キラル配位子として市販の2,2'-ビス[(4S)-4-ベンジル-2-オキサゾリジン]を採用したところ,42%eeのエナンチオ区別性を実現することができた.極性溶媒であるアセトニトリルを用いた場合は,区別性は19%eeしか発生しなかった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 細川隆弘: "Pd-Cu複核錯体触媒によるアルケンのケトン化"PETROTECH. 25巻. 801-805 (2002)

  • [文献書誌] Takahiro Hosokawa: "The Heck reaction in the presence of molecular oxygen"Tetrahedron Lett. 43巻. 9323-9325 (2002)

  • [文献書誌] Takahiro Hosokawa: "Acid-catalyzed transformation of rubrene to indennonaphthacene and its paired interaction orbital analysis"Tetrahedron Lett.. 44巻. 1175-1177 (2003)

  • [文献書誌] Takahiro Hosokawa: "Intramolecular Oxypalladation-Dehydropalladation in Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis"John Wiley & Son, New York.. 3279 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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