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2001 年度 実績報告書

抗体マトリックスを利用した触媒・電子移動システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 13650936
研究機関大阪大学

研究代表者

山口 浩靖  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00314352)

研究分担者 原田 明  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127282)
キーワード抗体 / 電子移動 / 電子受容体 / メチルビオロゲン / バイオセンサー / 超分子 / ポルフィリン
研究概要

電子ドナーとなるポルフィリンと電子アクセプターとなるビオロゲンあるいはキノンを同時に取り込むことが可能なモノクローナル抗体を得るために、ポルフィリンの軸方向あるいは平面上に電子アクセプターを共有結合で導入した分子を合成した。一方、比較のために電子アクセプター分子のみを結合することができる抗体も作製した。ビオロゲン誘導体を強く結合するモノクローナル抗体が4種類得られた。これらの抗体はビオロゲン-ポルフィリン共有結合化合物と結合することにより、ポルフィリンからビオロゲン部位への電子移動の効率を変化させることがわかった。そのうちの1種、10D5と名付けたモノクローナル抗体の特性を詳細に検討した。抗体10D5は抗原決定基として用いたビオロゲン誘導体のみならずメチルビオロゲンやビオロゲンダイマーに対しても10^<-7>Mの解離定数をもって結合した。ビオロゲンを炭素数12のアルキル鎖を介して結合させたビオロゲンダイマーと抗体とを混合すると線状の超分子を形成することが原子間力顕微鏡観察、酵素標識抗体測定法(ELISA)およびバイオセンサーの測定により明らかになった。この超分子形成を利用すると毒物であるメチルビオロゲンを感度良く検出できることを見い出した。表面プラズモン共鳴法を検出原理とするバイオセンサー(BIAcoreX)のセンサーチップに抗体10D5とビオロゲンダイマーの錯体を固定した。種々の濃度でメチルビオロゲンを抗体と混合した溶液を加えた後にビオロゲンダイマー-抗体錯体を添加すると、基板上でのビオロゲンダイマー-抗体間の超分子形成量は含有メチルビオロゲン濃度に応じて減少した。低分子のメチルビオロゲンの存在を抗体の重量変化として定量的に検出できることがわかった。本抗体は光機能性材料としてのみならず、高感度低分子検出試薬としても利用できる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroyasu Yamaguchi: "Stellate Macroscopic Crystals from Cationic and Anionic Porphyrins"Chemistry Letters. 2001・8. 778-779 (2001)

  • [文献書誌] Hiroyasu Yamaguchi: "Amplification of Detection Signals for Methyl Viologen by Using Supramolecular Formation of Antibody with Violoen Dimer in Surface Plasmon Resonance Sensor"Chemistry Letters. 2002・3. 382-383 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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