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2002 年度 実績報告書

新規大環状スルフィド類の固相開環重合による超高分子量を有する高分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 13650939
研究機関神奈川大学

研究代表者

亀山 敦  神奈川大学, 工学部, 助教授 (80231265)

キーワード固相 / 開環重合 / 大環状スルフィド / トリアジン / ポリスルフィド / 超高分子量
研究概要

本研究は、新しい大環状化合物の固相開環重合により超高分子量縮合系ポリマーの合成方法を確立することを目的とする。本年度は、ジブチルアミノトリアジン構造とo-,p-フェニレン構造を有する種々の大環状スルフィド類とジブチルアミノトリアジン構造とピリジン環を有する大環状スルフィド類の合成、性質、および固相での開環重合について検討を行った。希釈条件で2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプトトリアジン(BADMT)とo-キシリレンジブロミドとの反応、p-キシリレンジブロミドとの反応を行い、それぞれ大環状2量体(o-,p-CS-2)と大環状3量体(o-,p-CS-3)を優先的に合成する条件を見出した。テンプレート剤としてNaPF_6を用いて、BADMTと2,6-ビスブロモメチルピリジンとの反応を検討し、対応する大環状2量体(CTPS-2)と大環状3量体(CTPS-3)を優先的に合成する条件を見出した。次に、種々の大環状スルフィド類の大きさと化学的、熱的性質の関係について明らかにした。重合触媒としてトテラフェニルホスホニウムクロリド(TPPC)5mol%を用いて、o-CS-2を粉末状態で窒素雰囲気下加熱を行った結果、250℃で10分間加熱した場合、開環重合が進行し重量平均分子量(Mw)が18万のポリマーが得られた。同様にp-CS-2の開環重合を検討した結果、260℃、10分間の反応によりMwが25万のポリマーが得られた。さらに、ピリジン構造を有するCTPS-2の開環重合について検討した結果、TBPC5mol%を用いて240℃で30分間加熱した場合、Mwが12万のポリマーが得られた。TBPCを用いたCTPS-2の開環重合は、固相で進行することが分かった。
以上のように、ジブチルアミノトリアジン構造とフェニレン構造、あるいはピリジン環を有する大環状スルフィドの合成法を確立し、固相あるいは溶融開環重合により高分子量ポリマーが得られることが明らかとなった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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