研究概要 |
(1)アジン誘導体はラジカル重合やカチオン重合はしないが、極めてアニオン重合性に富むモノマーである事が明らかになった。その延長として、α,ω-ジアルキル置換アザブタジエンのアニオン重合すると、1,4-トランスの構造単位からなることを見い出した。高分子にするにはアニオン重合によることになるが、開始剤の選択が極めて大切で、予備テストでグリニヤ試薬が最も良い開始剤である事を明らかにした。しかし、まだ、合成の最適条件昨年度に十分詰め切れなかった点を色々なグリニヤ試薬を用いて、最適条件の探索を行い、高分子生成収率を改善した。この条件下で、α,ω-ジ置換基に官能基を導入し、新たなモノマーに目を向けた高分子を合成すると共に、共重合などを行ない新たな熱分解高分子を合成した。(2)本研究の学術的特色は、学術的にはこれまでイソシアナートを除き、C=N結合を有する化合物の付加重合性の基礎的研究は、殆ど報告がなされていない。本研究では、それらC=N結合を有する化合物の重合により新規の分解性機能高分子を合成すると共に、C=N結合の重合性に関する基礎研究を行った。
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