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2001 年度 実績報告書

キラル高分子膜の高度な秩序形成法の確立とその光機能発現機構の結晶光学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 13650944
研究機関山形大学

研究代表者

田實 佳郎  山形大学, 工学部, 助教授 (00282236)

キーワード旋光性 / 光変調性 / 高次構造制御 / キラル高分子 / ポリ乳酸
研究概要

キラルな分子がら旋構造を造る高分子(キラル高分子)は,その構造から典型的なら旋状の電子軌道が発生し,結晶状態で,大きな旋光性を示すことは直ちに想像できる.本年度は第一段階として,これを定量的に評価するための,高次構造制御試料の作製と,測定システムの試作を試みた.
キラル高分子結晶が持つ旋光性の結晶光学的評価
1)高度に高次構造を制御したキラル高分子膜の作製…キラル高分子の高次構造制御は難しく,一般に乱れた構造が多く導入される.しかしながら,キラル高分子の旋光性を固体状態で,結晶光学的に追究するためには,高次構造の単純な材料を作り出す必要がある.本年度は,金属加工で利用されている鍛造法を応用し,キラル高分子の一種であるL型ポリ乳酸(PLLA)の高次構造制御を試みた.具体的には,鍛造時の温度,圧力のかけ方を最適化する形状の選定を行った.試料は,分子量や異性体(D体)含量の異なるものを用意した.現在,数多くの実験によって得られた成形試料の高次構造を精力的に解析している.次年度は,この解析結果を踏まえ,PLLAの分子量,異性体(D体)含量に対する最適な高分子膜の作製条件を決定する.
2)測定装置の試作…試料の旋光性は,複屈折より遥かに小さく測定が困難な上に,本研究のようにlaser光を繊維軸方向より入射する場合,特に,試料の光学軸のずれや光学素子による見かけ上の影響を除くことは大変難しい.現在,高分子膜用の旋光・光変調測定装置は殆ど見あたらない.そこで,試料の膜厚以下の径を持つ光ファイバを検光子の直ぐ後ろに置き,透過光を受光するシステムを構築した.その結果,試料や光学素子の反射や回折による影響が除けることを実証した.次年度は,このシステムを光変調測定が可能なものに拡張する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Tajitsu: "Nonlinear conductivity spectra of new polymer blend films with high ion conductivity"J.Materials Sci.Lett.. 20. 1159-1162 (2001)

  • [文献書誌] Y.Tajitsu: "Transverse Sound Velocity of the Ferroelectric Copolymer Film of Vinylidene Fluoride and Trifluoroethylene"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. 5672-5675 (2001)

  • [文献書誌] Y.Tajitsu: "Nonlinear Ionic-conductivity Spectra of Antistatic Polymer Films"J.Electrostatics. (印刷中).

  • [文献書誌] Y.Tajitsu: "Opticla Rotatory Power and Light Modulation by Polylactic Acid Film"J.Materials Research Society. (印刷中).

  • [文献書誌] 田實佳郎: "強誘電性材料の開発と応用"シー・エム・シー出版. 286(26) (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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