次世代プリント基板を目指した全芳香族ポリマー表面の銅メタライジング技術の開発

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13650949
• 研究機関: 静岡大学
• 研究代表者: 稲垣 訓宏 静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)
• 研究分担者: 成島 和男 静岡大学, 工学部, 助手 (40303531) ; 田坂 茂 静岡大学, 工学部, 教授 (10134793)
• キーワード: プリント基板 / 全芳香族ポリマー / 銅メタライジング / 低温プラズマ / 表面改質 / アラミド

研究概要

耐熱性が高く、機械的特性も優れたポリマーフィルムをベールフィルムとする次世代のプリント基板の開発を目指し、本プロジェクトでは次の2つのテーマを目的としている。
1)いかにしてベースフィルムポリマーと銅の薄膜とを密着させるか?
2)熱的、機械的ストレスの下でも、ベースフィルムポリマーと銅の薄膜の密着力をいかにして持続させるか?
本年度の研究活動はテーマ1に絞り、ベースフィルムポリマー表面を改質することで銅薄膜との密着力をはかる手法を検討した。具体的には、ベースポリマー表面に低温プラズマを照射し、ポリマー表面を改質する手法を採用した。低温プラズマの種類、照射方法によって、ポリマー表面の化学組成、表面形態が大幅に変わることを見いだした。この表面の変化は、当然のことながら銅薄膜の密着力にも大きな影響がある。どのように低温プラズマ照射をするかが密着力向上の鍵であることを見いだした。本研究の成果は、平成14年度高分子学会年次大会で研究発表する予定である。また、研究成果の詳細は、Journal of Applied Polymer Scienceに研究論文として投稿した。

研究成果

• [文献書誌] N. Inagaki, S. Tasaka, S. Shimada: "Comparative Studies on Surface Modification of Poly(ethylene terephthalate) by Remote and Direct Argon Plasma"Journal of Applied Polymer Science. 79. 808-815 (2001)
• [文献書誌] S. K. Kim, K. M. Cho, S. Tasaka, N. Inagaki: "Mesoporous Carbon Fibers prepared from Regenerated Rice Straw Fibers"Macromolecular Material Engineering. 286. 187-190 (2001)
• [文献書誌] N. Inagaki, S. Tasaka, T. Baba: "Surface Modification of Polyimide Film Surface by Silane Coupling Reactions for Copper Metallizatio"Journal of Adhesion Science & Technology. 15. 749-762 (2001)
• [文献書誌] N. Inagaki, S. Tasaka, K. Narushima, K. Teranishi: "Surface Modification of Poly(tetrafluoroethylene) with Pulsed Hydrogen Plasma"Journal of Applied Polymer Science. 83. 340-348 (2001)