研究課題/領域番号 |
13650950
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高野 敦志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00236241)
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研究分担者 |
鳥飼 直也 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (70300671)
高橋 良彰 九州大学, 理工科学研究院, 助教授 (40188066)
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キーワード | テーパー領域 / ブロック共重合体 / モルフォロジー / コンフォーメーション / アニオン重合 / オゾン分解 |
研究概要 |
スチレン、イソプレンを成分モノマーとして用い、これら2種類のモノマー混合物(50/50)を0℃、THF/ベンゼン(50/50)混合溶媒中、sec-ブチルリチウムを開始剤としてリビングアニオン重合し、分子全体にわたってテーパー領域を有する共重合体(試料1)を合成した。また、同じ重合条件で、スチレン→(スチレン/イソプレン混合物)→イソプレンの順にモノマーを逐次添加して分子中央部にのみテーパー領域を有する共重合体(試料2)も合成した。さらに比較試料としてポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体(試料3)も併せて合成した。分子量測定ならびにNMR測定の結果、いずれの試料ともほぼ等しい分子量(M_w≒4×10^4)、狭い分子量分布(M_w/M_n<1.1)および等しい組成(ポリイソプレンの体積分率約0.5)を有していることが確認された。また、3種類の共重合体試料をそれぞれジクロロメタン溶液として-78℃でオゾン処理することによりポリイソプレン部分の主鎖切断を行った後、GPC分析した結果、それぞれテーパー領域鎖長に応じた分子量変化が確認された。この結果より試料1,2は確実にテーパー領域を有することが定量的に確認された。 3種類の共重合体試料のベンゼン溶液キャスト膜からのモルフォロジーをオスミウム酸染色後、透過型電子顕微鏡観察したところ、いずれも明確な交互ラメラ構造を示すことが確認された。また小角X線散乱測定より、いずれの試料ともほぼ等しいドメイン間隔を有することが確認された。さらに、中性子反射率測定により相分離界面厚さを調べた結果、試料1の方が試料3に比べて若干界面厚さが広いことが確認された。 以上の成果は第51回高分子学会年次大会で発表する予定である。
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