ジョロウグモおよびオオジョロウグモの解剖を行い、蜘蛛糸の固化する前の分泌腺内における液状物質の物理化学的性質を調べることを試みた。なお、劣化の観点からも、固化した糸と内部分泌液との比較検討も行った。 1.奈良、高知、沖縄等に出向き、ジョロウグモおよびオオジョロウグモを採集した。 2.蜘蛛の適切な保存方浩を探すべく、冷凍保存に関して種々の条件を設定し、その条件における分泌液の分子量を測定した。 3.光学顕微鏡を用いて蜘蛛の解剖が可能な条件を探した。 4.解剖を実践し、分泌腺の分離採取を可能にした。 5.蜘蛛の体内における各種分泌腺の解剖学的同定を行った。 6.糸腺から液状物質の採取を試み、その採取条件を調べた。 7.採取した液状物質の溶媒を探索し、分子量測定を試みた。 ただし、現在のところ、固化したクモ糸の適切な溶媒を探索するのに悪戦苦闘している状態である。
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