研究課題/領域番号 |
13650960
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
新井 隆景 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10175945)
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研究分担者 |
笠原 次郎 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (60312435)
溝端 一秀 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (00271875)
杉山 弘 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70002938)
松尾 亜紀子 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70276418)
永田 晴紀 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40281787)
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キーワード | スクラムジェット / 超音速燃焼 / 衝撃波誘起燃焼 / 超音速混合 / 保炎 / 衝撃風洞 / 高エンタルピー流れ / 宇宙輸送システム |
研究概要 |
今年度は、昨年度に引き続き高エンタルピー衝撃風洞を用いて実験を行った。 昨年度のスクラムジェットエンジンモデルでは、2段ランプの1段目の圧縮部から燃料(ガス水素)を噴出したため、2段目のランプから発生する衝撃波のより着火した。そこで、今年度は、2段目のランプから燃料を噴射するように、新たにモデルを製作した。また、当量比を大きくするために、燃料噴射孔を3つにした。 実験条件は、昨年度とほぼ同じであり、高度35km、マッハ7の飛行条件で試験を行った。上記のモデルでは、マッハ7の流れが燃焼器内部ではマッハ数約1.7まで減速された。燃焼器内の流れの静温は約1600K、静圧は約30k Paであった。実験では、流れの可視化と圧力測定を行った。今年度購入した圧力計とアンプは昨年度購入したロガーステーションと組み合わせて使用された。 実験結果は、2段目のランプ壁から燃料を噴射したため、着火は燃焼器入り口で生じた。これは、当初の予定通りであった。特に、燃焼器入り口のカウルからの反射衝撃波後方で強い発光が認められた。このことから、流れの圧縮を受け持つインテーク部からの燃料噴射を行い、かつ、インテークから燃焼器にいたる衝撃波システムで着火を行う機構が実現できることをしめした。保炎に対しては、試験時間が短いことから、さらに詳しい実験が必要と考えられる。モデルが小さいことから、燃焼器内部での圧力上昇は観察されなかった。今後、大スケールの実験が必要である。 燃料の混合促進と混合評価の観点からも研究を進め、燃料噴流と超音速流との干渉現象、境界層と超音速流の干渉現象、触媒反応を利用した混合評価方法の開発、等の研究を精力的に進めた。 本研究結果は、日本航空宇宙学会やALAA主催の国際会議等で、発表済みまたは発表予定である。特に、2003年6月に北京で開催されるInternational Colloquium on Hypersonic Propulsionに招待講演で研究成果を発表する予定である。
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