構造型石油貯留層トラップに対するシール能力を、数値的に表現出来る技術の開発は、油田の探鉱〓上、非常に重要な課題である。しかしながらこの様な基本的問題に対して、明確な回答を提供できる〓体系の構築は今まで困難であった。その理由は、地震探査手法では観測不可能な、貯留層内の規模の〓な断層や破断面がシールとして働く場合もあれば、逆に石油の大きな通り道になる場合もある為である。 上記の課題を解決するために、本研究においては個別要素法(Distinct Element Method)を用い、〓貯留層を対象とする岩盤破断現象に関するシミュレータの開発を試みた。ここでは、まず破断・破壊〓を再現できるシミュレータの開発を行った。しかしながら当初計画していた、断層ガウジの形成の取〓では、アルゴリズム開発の困難性によって至らなかった。 ここで開発されたシミュレータによって、衝上断層系の形成史を元にした石油貯留層解析の足がかりを得た。本研究で用いた個別要素法(Distinct Element Method)及びその発展形の手法は、土木分野に〓るシミュレーション法として研究され、破壊現象への適用には非常に強力であることが、近年知られてきた。本研究の特色として、このような手法を地質学的な問題に適用した点である。これによって衝上〓群の発達の過程がシミュレート出来、構造型貯留層形成史の解析に新しい時代を開いたと考えられる。 これらのシミュレーション結果を考察するために、構造地質学との連携が必要であった。そこで構造発達史を再現できる砂箱実験との連携を進めた。砂箱実験の結果を、DEMを用いて開発した手法を適用し、その再現を試みた。一方局所的な破断現象を解明するために、弾性波が引き起こす破壊現象のDEMを用いた再現も行った。
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